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無印良品がメタバースに参入した理由

メタバースは、現実世界と仮想世界が交錯する新たなインターネットの形態として注目されています。メタバースによるデジタル空間は、単なるエンターテインメントにとどまらず、ビジネスの新たな舞台としても急速に成長を遂げています。
さまざまな企業がこの新しいフィールドに参入している中、有名ブランド『無印良品』(株式会社 良品計画)も、メタバースへの取り組みを始めました。
本記事では、無印良品のメタバースへの取り組みの概要、詳細、企業側のねらいや世間からの反響について、詳しく解説していきます。

なぜ、メタバースなのか? ー無印良品編ー

出典:https://shop.muji.com/jp/ginza

無印良品は、シンプルで機能的なデザインが特徴の、日本発のライフスタイルブランドです。無印良品は長年にわたり、生活雑貨や家具、衣料品などの分野で人気を博してきましたが、最近ではデジタル領域への進出にも力を入れています。
その一環として、無印良品はメタバースの世界においても存在感を示し始めました。
無印良品がメタバースに取り組む背景には、デジタル化の進展と消費者行動の変化があります。近年、オンラインショッピングが急速に普及し、消費者は実店舗に足を運ばず、自宅にいながらさまざまな商品を購入することが当たり前となっています。そうした潮流の中、無印良品はメタバースを通じて、物理的な店舗では提供できない新たな付加価値を顧客に提供する試みとして、メタバースへの取り組みを始めました。
それでは、実際の無印良品のメタバースへの取り組みについて、ご紹介いたします。

実例1:バーチャル店舗の展開

出典:https://www.muji.com/jp/ja/shop/046604/articles/info/1512711

2023年10月、無印良品はKDDIのメタバースショッピングサービス「αU place」内に、バーチャル店舗を開設しました。これにより顧客は、スマホやタブレット端末から、アプリを通じて24時間365日、バーチャル店舗へ訪れることが可能となりました。
このバーチャル店舗は、2024年6月には、WEBブラウザからも全般的にアクセスが可能となっています。
この店舗は、実店舗である「無印良品 銀座」とリンクしており、実店舗と同じように商品をディスプレイし、顧客が仮想空間内を歩き回りながらショッピングを楽しめるようになっています。顧客は店舗内で、無印良品の商品を3Dモデルとして詳細に確認することができ、気に入った商品はECサイトを通じ、そのまま購入することも可能です。
またフロア内では、実際に無印良品に勤めるインテリアアドバイザーも配置されており、顧客のニーズに合わせた商品説明を行ってくれます。希望すれば、店舗スタッフからビデオ通話でアドバイスも受けることもでき、リアルの店舗と変わらない商品選びをすることが可能となっています。このバーチャル店舗は、ただ商品を売る場所ではなく、無印良品の世界観を体験する場としても設計されています。店舗の内装や商品ディスプレイは、無印良品というブランドのミニマリズムを象徴する、シンプルで洗練されたデザインをそのまま引き継いでいます。

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実例2:バーチャルフィッティング

「MWC2024」での機能紹介

上記のバーチャル店舗にとどまらず、KDDIと無印良品共同の取り組みとして開発が進められているのが、DIGITAL TWIN with AIによる「バーチャルフィッティング」です。
2024年2月にスペインで開催された、世界最大級モバイル関連展示会「MWC2024」では、メタバース上の「無印良品 銀座」バーチャル店舗上で、AIを用いたバーチャルフィッティングの機能が紹介されました。
このバーチャルフィッティングは、顧客が気になった洋服と顧客自身の写真を選択することで、AIがその写真に洋服を合成し、表示してくれるという仕組みです。
従来、実店舗に足を運ばなければ成立し得なかった「試着」の壁を取り払う足掛かりとなるこの機能は、展示会に参加した多くの観衆を驚かせました。

無印良品のねらいと反響

出典:https://www.muji.com/jp/ja/shop/046604/articles/info/1306911

バーチャル店舗の出店について、株式会社 良品計画のオープンコミュニケーション部管掌 執行役員の永原拓生さんは、「出店した『無印良品 銀座』は、当社の世界旗艦店。若年層の顧客や、まだ『無印良品 銀座』を知らない方にも、まずは忠実に再現されたバーチャル店舗で買い物体験をし、リアルの世界でも行ってみたいと思ってもらい、来店してほしい」とコメントしています。
実際、「無印良品 銀座」の顧客層は、地域性からか若年層の来店が少なめ。一方でメタバースの主要利用者は若年層中心であることから、そうした顧客にもバーチャルで「無印良品 銀座」を体験してもらい、リアル店舗への来店動機になることを期待した形となります。
またバーチャルフィッティングについては、従来の試着の煩雑さを取り払いつつ、気になった服をAIで気軽に試すことができる、という利点があります。企業として新たにアプローチを仕掛けたい若年層顧客は、実店舗での試着より、「自分と似た体型の店員をSNSで見つけ、その人が合うサイズの服をネットで買う」という考え方が浸透しつつあります。バーチャルフィッティングは、こういったタイムパフォーマンス重視の顧客ニーズと親和性が高いといえるでしょう。
こうした無印良品のメタバースへの取り組みは、多くの消費者やメディアから注目を集めています。
とりわけメタバース内でのショッピング体験は、デジタルネイティブ世代を中心に好評を博しており、実際にバーチャル店舗を訪れた顧客からは、「現実の店舗を訪れるのと同じくらいの充実感が得られる」「商品を実際に手に取る感覚を再現したディスプレイが素晴らしい」といった、ポジティブな意見が数多く寄せられる結果となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
本記事で紹介した、無印良品のメタバースへの取り組みは、単なるデジタル展開の一環にはとどまらず、ブランドの価値観を仮想空間で体現し、新しい顧客体験を創出する試みとして、国内外で注目されています。
バーチャル店舗を通じて、デジタルネイティブ世代をはじめとする新しい顧客層にアプローチし、ブランドの認知度とエンゲージメントを高めるための足掛かりとなるこれらの取り組みは、他の企業がメタバースに進出する際の、大きな参考となるでしょう。
無印良品のメタバース戦略は、デジタルとリアルを融合させた新しいビジネスモデルとして、今後もますます注目を集めていくことが期待されます。

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